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TBSラジオとRKB毎日放送が共同制作したラジオの報道ドキュメンタリー、「SCRATCH 差別と平成」 を放送します。
相模原市の津久井やまゆり事件を題材に1年前に放送した番組「SCRATCH 線を引く人たち」をもとに、その後の取材を加えて再構成したものです。

TBSラジオ(関東地区)
3月4日(月)午前1時 ~2時
RKBラジオ(北部九州地区)
3月5日(火)午後8時15分 ~9時15分 

【番組概要】
2019年、「平成」が終わろうとしている。
インターネットは急速に普及し、一方で格差が拡大した。社会の一体感は色あせて、人のうちに潜む憎悪が、はっきりと目に見えるようになってきた。

「障害者は生きている価値がない」と言ったのは、2016年7月に神奈川県相模原市の障害者施設に押し入り、46人を殺傷した、元職員の植松聖(当時26歳)だ。社会を驚愕させたが、ネット上には「殺してはいけないが、気持ちは分かる」という声も少なくなかった。

「LGBTには生産性がない」と、現職の国会議員が雑誌に書いた記事。ヘイトデモとして、路上で可視化されるようになった民族差別。 こうした、「自分と他者の間に線を引き、向こう側の人々の尊厳や存在を認めない言動」を、この番組では 〈スクラッチ〉 行為と名付けた。
(SCRATCH=英語で「ガリガリと線を引く」という意味)

RKB毎日放送 東京報道部の神戸金史記者には障害を持つ長男がいる。神戸記者が事件後に個人的にFacebookに書いた詩『障害を持つ息子へ』は、事件へのカウンターの言葉として、SNSで広く社会に拡散した。今は曲が付けられて、Youtubeでも公開されている。
記者の立場で、また障害者の父として、神戸記者は拘置所に向かい、植松被告と面会を重ねて、真の動機を探っていく。

事件の現場は関東。福岡の民放の取材をTBSラジオがサポートし、「ローカル局と東京キー局が共同制作する、ラジオ報道ドキュメンタリー」という異例の形を取って、現代の日本社会の姿を見つめた。

ディレクター  神戸金史(RKB)
プロデューサー 鳥山穣(TBSラジオ)
竹島史浩(RKB)